肥料利用率及び生産効率の向上メソッド
安定多収穫を目的に肥料を効率よく転換に、葉面光合成能力を最大限に利用する。
受光効率の改善に、リズム3の葉面散布で「生理生態的特性」を活力, 活性です。
・光合成能力と関連要因
・光合成同化産物の供給系能力
・有効利用係数の向上要因
・根郡の分布, 活性(窒素に対するミネラル吸収/供給)
植物は、絶えず変動する外的環境に自身の生理機能を適合させるために、酸化還元(レドックス)反応を基盤とした機能制御システムを獲得している。
葉緑体では、このシステムが光照射シグナルを伝達するという役割を果たすことにより、光環境の変化に応じた葉緑体の機能調節を可能にしている。
驚くほど多種多様な還元力伝達因子群と標的酵素群によって、構成されているらしいということが見えてきたのである。
生物がエネルギーを得るための代謝には、大きく分類して「光合成」「発酵」「呼吸」の3種類がある
「光合成」は、光エネルギーを化学エネルギーに変換する生化学反応、「発酵」と「呼吸」(好気呼吸・嫌気呼吸)は有機物の酸化反応によってエネルギーを生じる生化学反応である。
こうして得たエネルギーを用いて、生物は生体反応を行い、またその副産物や最終生成物としてさまざまな物質を合成している。
土壌と水分
生育を良好に保つためには、土中に微生物がたくさん生息するように土の条件を改善して
根を十分に張らすことです。
そのためにも、有機物の施用と深耕による「土づくり」や、適正な酸度(pH)を保つことが大切です。
土の水分が不足すると発芽不良や正常な生長が妨げられます。
一方、水分過多は、根の伸長を抑制したり病害を助長するなど、やはり健全に生育しない原因となります。
潅水は、植えつけのときにはたっぷりと、その後は土壌の性質や天候によって加減し
ながら行いましょう。
低温期は午前中に行い、高温期では日中を避けて夕方にたっぷり潅水します。
水はけの悪いところでは、初めから堆肥などを投入して土壌改良しておくことや、高畝にしたり排水溝を手直しするなどして、排水をよくします。
光
光の強さは生長に、日長は花芽分化に関係します。
強い光が必要な野菜は密植を避けたり、芽かきや整枝によって受光態勢をよくします。
また、畝を立てる方向によって光の受け方が違ってきます。
普通は南北に立てるのがよいのですが、東西に立てる場合は、畝の南側半分が北側半分より生育がよくなるので、生育をそろえるために1条植えとします。
さらに、1つの畝に生育の速さと草姿の異なる野菜を植える場合、南側に草丈が大きく、生育の速いものを植えると、北側に植えたものの生育が悪くなります。
例えば、アブララナ科の野菜の場合、ブロッコリ->キャベツ>ハクサイの順に丈が大きくなります。
そこで、南側はキャベツ、ハクサイを、北側にはブロッコリ-を植えると、3品目ともよいものを収穫することができます。
花芽の分化
茎や葉が生長することを「栄養生長」、花芽ができて開花, 結実することを「生殖生
長」とよび、栄養, 温度, 日長といった条件が複雑に絡み合って栄養生長か生殖生長が
決まります。
したがって、作りたい野菜が、どのような条件で花芽分化するのかを知って、品種選択や保温などの手だてを考えます。
例えば、花芽分化して困る春まきのダイコン、カブでは、抽苔(トウ立ち)しにくい品種を選んで無理な早まきをせず、トンネルやマルチなどで保温したり、抽苔しないうちに収穫したりします。
また、スイカ、マクワは肥料を多くやりすぎると花芽ができにくくなるので、基肥のやりすぎに注意しましょう。
着果の促進
キュウリは受粉しなくても果実が肥大しますが、その他の果菜類は受粉することが重
要です。
また、着果の良否は株の栄養状態にも左右されますし、ホルモン剤によって着果を促進したりできます。
①人工交配する
受粉は、風や昆虫などによって運ばれた花粉が雌しべにつくことによって起こります。
特に、ウリ科の野菜の受粉は、花をめがけてやってくる昆虫がどれだけ活動するかによ
ります。
花が次々と咲くのに天候が悪いため訪花昆虫の活動が鈍いときは、人工交配するとよいでしょう。
方法は、花粉の発芽能力が高い午前7時~9時ごろの涼しい時間帯に、雄花をとって雌花の柱頭にすりつけるようにして交配します。
②着果ホルモンによる処理
低温期や高温期は、花粉の発芽能力がなくなったり低下したりします。
トマトでは着果ホルモン剤を散布すると確実に着果します。
濃度は、気温にあわせて 50~100 倍で使います。
方法は、第1花房の3~4花が咲いたとき、早朝、霧吹きで花に散布します。
このとき、生長点や若い葉にかかると生育異常になるので注意してください。
③花の栄養状態をよくする
トマト, スイカ, カボチャなどでは、肥料, 水分過多で株が茂りすぎたり、逆に肥料不足で枝先やつる先に花が咲くようになると、花が流れ着果しにくくなります。
基肥を必要以上に施用せず、着果を確認してから追肥したり、水はけをよくして根の張りをよくし、株が健全に保たれるようにします。
肥料の上手な使い方
野菜が生育する時は、窒素, リン酸, 加里, カルシウム(石灰), マグネシウム(苦土), 硫黄, 鉄, マンガン, ホウ素, モリブデン, 銅, 亜鉛, 塩素など、多くの要素を土から吸収しますが、それらを不足しないよう補ってやるのが施肥です。
化学肥料の種類と性質
単肥は、硫安(窒素), 過リン酸石灰(リン酸), 硫酸加里(加里)など、主に一つの成分を多量に含んだ肥料です。
一つの成分の施肥量を調節したい時に利用します。
化成(複合)肥料とは、窒素, リン酸, 加里の2~3成分を含むもの。
燐硝安加里(16-10-14)のように3要素合計で 30%以上含むものを高度化成。
8・6・8のように 30%未満のものを低度化成といいます。
有機質肥料の種類と性質
有機質肥料は、動物や植物を原料とした肥料で、窒素, リン酸, 加里を少しずつ含み、微量要素も多少含んでいます。
植物性のものには油かす、米ぬか, 堆肥等が、動物性のものには鶏ふん, 骨粉, 魚かすなどがあります。
一般に肥料としての効き方はおだやかで、効力が長く続くので基肥として使用します。