肥料を増やす前に、
根が吸える状態をつくる。
施肥 / 潅水 / 防除の慣行体系はそのままに、4つの資材を生育ステージと作物の反応に合わせて組み込み、規格内歩留まりと販売利益の改善をめざす栽培管理です。
萌芽が揃わない茎葉ばかりで、芋が太らない小玉 / 変形 / 裂開規格内率が上がらない…収穫後の腐敗
要点:肥料不足とは限らない
土に肥料成分があっても、根圏環境が崩れて根が傷むと、吸収 / 転流 / 代謝が滞ります。
目標は「投入量を増やす」ことではなく、次の流れを途切れさせないことです。
吸着:土に保持される、肥料
吸収:根が取り込む、酸化 / 還元
転流:葉から芋へ運ぶ…炭水化物
代謝:光合成 / 糖の生成
貯蔵:塊茎に蓄える
ジャガイモは果菜類と違い、収穫物は…地下のストロン先端にできる塊茎です。
茎葉と根を整え、光合成産物を塊茎へ送る条件をつくることが…管理の中心になります。
ジオバンク「土 / 野 / 菌 / 酵」
資材は、単独で考えず…
土壌の物理性
↓
根とストロン
↓
葉での代謝
↓
塊茎
という一連の流れで…運用します。
土
ペサージ
優良たい肥づくり。
有機物の分解 / 発酵を進め、完熟たい肥で…腐植と団粒構造を改善。
野
サンパック
生産圃場のリセット。
作付前の処理で残渣 / 未分解有機物に対応し、土壌環境を再構築。
菌
ズットデルネ
土壌微生物環境の改善。
根圏に投入し、発根 / 活着、白根 / 細根、養分吸収を支援。
酵
リズム3
作物の体質改善 / 強化。
潅水と葉面散布を使い分け、ミネラル利用と代謝を支援。
統合栽培暦:ステージを選んで確認
日数は、植付日を0日とした目安です。
品種 / 作型 / 地温 / 土壌で前後するため、暦日ではなく生育ステージで判断します。
土台づくり:作付60~30日前
圃場リセット:作付45~20日前
施肥 / 畝 / 根圏準備:作付30~7日前
植付~萌芽:0~21日目安
茎葉形成:15~35日目安
塊茎形成:25~50日目安
塊茎肥大:40~80日目安
成熟:70日以降
収穫 / 貯蔵:収穫~出庫
土台づくり
作付60~30日前
排水性 / 通気性 / 保水性 / 保肥性を整え、根とストロンが伸びる…有効土層を確保する。
使う資材
ペサージ(完熟たい肥づくり)
主な作業 / 観察
- 土壌pH / EC, 硝酸態窒素, リン酸, 交換性カリ / カルシウム / マグネシウムを確認
- 排水不良, 硬盤, 地下水位, 前作残渣, 病害履歴, 連作年数を確認
- 健全な種いもを準備
- ペサージ例:米ぬか100kgへ均一に散布 / 混和。
70~80℃を目安に温度推移を確認
注意・やらないこと
そうか病の発生歴がある圃場では、土壌pHを安易に上げない。
未熟たい肥を作付直前に投入しない。
発酵温度が上がっただけでは完成ではなく、腐敗臭 / 未分解物が残るなら水分 / 通気 / 原料バランスを再確認する。
茎葉形成~塊茎形成期の見立て
状態を選ぶと、見立てと優先行動が表示されます。
原因の診断が先で、資材の追加はその後です。
葉色が濃く、茎葉が旺盛(節間が長い)葉色が淡く、生育が停滞日中に萎れ、朝は回復茎葉が軟らかい塊茎数が多く、小玉傾向根が褐変している…根量が少ない見立て窒素 / 水分過多の疑い…優先行動窒素追肥を保留し、硝酸態窒素 / EC / 水分を確認する。
ジオバンクの使い方リズム3は、反応を見て使用。
窒素含有資材を重ねない。
「予定日だから散布」にしない:反応管理
1回の処理は…目的を1つに絞り、3~7日後に処理前と比べます。
| 段階 | 内容 | 記録例 |
|---|---|---|
| Plan 目的設定 | 目的を一つに絞る | 白根増加、葉色安定、肥大維持 |
| Do 処理 | 倍率 / 使用量 / 時刻 / 天候 / 区画を記録 | ズットデルネ500倍、朝、曇天 |
| Check 再観察 | 3~7日後に処理前と比較 | 新根、葉色、草丈、萎れ、肥大 |
| Act 調整 | 継続 / 間隔延長 / 中止 / 原因の再診断 | 反応がなければ濃度を上げず阻害要因を確認 |
反応が見えないときは、濃度や回数を増やす前に…
地温 / 土壌水分 / 排水 / pH / EC / 硝酸態窒素 / 根の褐変 / 日射量 / 病害 / 農薬や肥料との混用や処理間隔を再点検します。
現場チェックリスト
チェックは、この端末のブラウザ内でのみ保存されます。
(保存できない環境では、閉じるとリセットされます)
0 / 16 項目 完了
作付前の土壌環境改善
土壌pH / EC / 硝酸態窒素 / 各ミネラルを分析した排水 / 硬盤 / 病害履歴 / 連作年数を確認した前作の残肥とたい肥由来窒素を施肥設計に算入した未熟たい肥を直前に入れていないサンパック処理後、ガス抜きと安全確認。
生育期
萌芽率 / 欠株率を記録した根を掘って白根 / 褐変根を確認した処理の目的を一つに絞り、倍率 / 時刻 / 天候を記録した3~7日後に処理前と比較した高温 / 強日射時の葉面散布を避けた初回は小区画で葉面障害を確認。
収穫 / 評価
試し掘りで表皮固着を確認した従来区と、導入区を同条件で比較した規格内率 / 変形 / 裂開 / 緑化率を記録した貯蔵後の腐敗率 / 出庫可能重量を確認、追加粗利益と投資効果をチェック。
評価は「収量」ではなく「規格内歩留まりと追加粗利益」
総収量が増えても、小玉 / 変形 / 腐敗が増えたり、資材費 / 作業費が上回ったりすれば、販売利益は改善しません。
| 指標 | 計算方法 |
|---|---|
| 規格内収量 | 総収穫重量 × 規格内率 |
| 売上 | 規格別重量 × 規格別販売単価の合計 |
| 追加変動費 | 資材費 + 散布労務費 + 水 / 燃料等 |
| 追加粗利益 | 導入区売上 − 従来区売上 − 追加変動費 |
| 貯蔵後歩留まり | 出庫可能重量 ÷ 入庫重量 × 100 |
| 投資効果 | 追加粗利益 ÷ 追加変動費 |
1. 圃場診断
土壌分析、排水、病歴、施肥、潅水、品種、販路を確認。
2. 小区画実証
従来区を残し、品種 / 植付日 / 施肥条件を揃えて比較。
3. 利益が出た条件だけ拡大
規格内収量、品質、貯蔵ロス、追加粗利益を確認して面積を広げる。
表示・安全上の注意
- 収量 / 糖度 / 抗酸化力 / 食味 / 色艶 / 日持ち等を保証するものではありません。
- 「抗酸化力向上」を販売表示に使う場合は、導入区 / 対照区の分析試験と表示根拠が必要です。
- 微生物資材だけで土壌病害を防除できるとは表現しません。
健全種いも、輪作、排水、衛生管理、地域防除暦、登録農薬を組み合わせます。 - 希釈倍率は提示情報にもとづく設計開始例です。
最新の現品ラベルと公式商品情報を優先し、混用可否 / 殺菌剤との処理間隔 / 使用量は販売元へ確認してください。 - 「強制的に転流させる」といった断定は避け、「転流 / 代謝を支える条件を整える」と表現します。
根から吸えないときは、葉面散布で補完する。
そして、光合成でつくられた炭水化物を塊茎へ届ける。
目指すのは投入量の増加ではなく、高品質な農産物を安定して収穫し、販売できる割合を増やすことです。
出典:エポックジャパン「ジオバンクミーンズ / メソッド ≒ ジャガイモ編」資料をもとに要約
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